「自分らしさ」っていつ決まるんでしょう?
「あなたはあなたのままでいいんだよ」そんな言葉をよく耳にします。
自分でも言っていることが多い様に思います。
いつもそう伝えたいと思う一方で、その「あなたらしさ」って、いつ、どこで、どうやって決まるんだろう?と、ふと立ち止まってしまうことがあります。
「自分らしく」あることが大切だと言われる今の時代。
でも、私たち大人でさえ「これが自分らしい」と胸を張って言える場面は、案外少ないのではないでしょうか?
子育てをしていても、子どもが迷っていたり、好きなものがころころ変わったりすると、「本当にそれでいいの?」と心配になったりもします。
でもよく考えてみれば、子どもだけでなく、誰だって日々揺れています。
仕事中の自分、友達といる自分、親としての自分…
そのどれもが「本当の自分」なはずなのに、どれか一つに決めるのはなかなか難しい。
もしかしたら「自分らしさ」って、何かひとつの像ではなくて「いくつもある自分たちのまとまり」をそう呼んでいるだけなのかもしれません。
そんな中で、私が最近気づいたのは、自分らしさは「探すもの」ではなく「育てていくもの」なのかもしれないなぁっということです。
子どもが失敗して、落ち込んで、でもまた挑戦して…というそんな姿を見ていると「ああ、この子の“らしさ”は、こうして少しずつ出来上がっていくんだな」と感じることがあります。
親としてできるのは、「これがあなたらしさだよ」と決めつけることではなく、「今のあなたを面白がること」かもしれません。
ころころと興味が変わるのも、気分が読めない日があるのも、変化の途中だからこそ。
それは、きっと大人も同じだと思うのです。
「前はこれが好きだったのに、なんだか今は違う」と思う瞬間がある。
それを「ブレ」と捉えるのではなく「今の自分が変わり始めているサイン」と受け取ってみると少し気が楽になります。
また「自分らしさ」は、案外自分ひとりでは見えにくいものでもあるのです。
誰かの言葉や、他人とのやりとりの中で「あなたってこういうとこあるよね」と言われて、初めて「確かに!」と気づくことも多々あることだと思います。
子育ても同じで、親や先生がその子の“らしさ”を一方的に定義するのではなく、その子のやりたいことを真ん中に持ってきて、それからの対話の中で一緒に発見していくことが大切なのかもしれません。
結局「自分らしさ」って「いつ決まるの?」という問いに、明確な答えはありません。
強いて言えば、「決めなくてもいいし、変わっていい」というのが答えなのかもしれません。
その都度、その瞬間の「今の自分」を肯定していくこと。
それが「自分らしさ」と付き合うということなのではないかと、最近はすごく思うのです。
ぐっさん